仲人ちゅうにん)” の例文
仙「うぬの方が余っ程無礼だ、己が仲人ちゅうにんに這入ったのに頭巾を冠って、挨拶ええさつをするってえ事が有るか、頭巾を取れヤイ、面ア出して見せろヤイ」
唐突で、ごめいわくでもありましょうが、卒爾そつじながら仲人ちゅうにんをおねがいいたします。文を探して、池の汀まで、お連れくださるわけにはまいりませんでしょうか
西林図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
亜米利加アメリカのサンフランシスコに一行は上陸した。仲に這入はいった人の言葉ばかりをに受けて、上陸後四日間ばかりをうやむやに過してしまうと、仲人ちゅうにんは逃亡してしまった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「もとより金銭に望みはない、先刻お引連れになった望月家の若主人、これは望月家にとって槍よりも大切な品、それとこの槍とお引替えが願いたい、その仲人ちゅうにんは山崎譲」
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そしてあの女を仲人ちゅうにんに立てて先妻とのよりをもどそうとしているに決まっている。それに何の不思議があろう。長年連れ添った妻ではないか。かわいい三人の娘の母ではないか。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
お吉 あれッ、だれだか、仲人ちゅうにんにはいった——。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
へえ、そうか、もう宜いのか、あんたも骨が折れるねえ、あんたも早く云えば仲人ちゅうにんだ、おらアも仲人にべえ頼まれて、能く村で仲人に這入へえって人の事を
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこへ仲人ちゅうにんに割って出でたものがあります。何者かと見ればそれは女。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
仲人ちゅうにんだと云うのに聞入れず私を打ちに掛ったから、まご/\すると打たれるから引外ひっぱずしたらよろけたので
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
若い衆をなぐっていけえこともねえ皿を打壊ぶちこわしたりして見兼ねたから、仲へ這入へえって何故なぜ此様こんな事をすると段々尋ねたとこが、仲人ちゅうにんわしがに悪口あっこういてって掛るから
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
不死身で無鉄砲という危険けんのんな人で、始終喧嘩の仲人ちゅうにんをしたり、喧嘩をするので生疵なまきずの絶えない人ですが、親父が死んでから余程我も折れましたが、生れつきのきおいだから
わっちは又何処どっかの待合茶屋まちあいぢゃやへでも連れてって、さて如何いかゞの次第でございますか、兎に角任せて下さいと云って、おめえさんが仲人ちゅうにんに入って、茶か何か呑ませているんだろうと思って居りました
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかるに手前は仲人ちゅうにんのくせに頭巾を被ってるとは失礼な奴だ、頭巾を取れ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)