二間にけん)” の例文
ひさしたゞよ羽目はめなびいて、さつみづつる、はゞ二間にけんばかりのむらさきを、高樓たかどのき、欄干らんかんにしぶきをたせてつたもえる、ふぢはななるたきである。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
死骸とは二間にけんも離れて、これも閉めたままの窓の下、間にとこが敷いてあるし、自害をしたものなら、あんなところへ刃物を
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
これが芝居道でいう一間いっけん——一桝ひとますなので、場席ばせきを一間とってくれ、二間にけんほしいなどというのだった。
その八畳は本格的の座敷になつて居て、二間にけんの床の間があり、来た時には世界地図が掛つて居た。
野の墓 (新字旧仮名) / 岩本素白(著)
当の古女房までが、頼母子講の月掛けが払えないといっては、ヒステリィを起したり、そういうものでたされた、裏長屋の九尺くしゃく二間にけんをのがれて、木馬館の別天地へ出勤することは
木馬は廻る (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
二間にけんにたらぬ細通り
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
寝巻もいたって粗末で、取乱し放題に乱しているのは、中年女の覚悟のていではなく、窓の方二間にけんも先へ放り出した短刀とともに、一つ一つが疑問の種です。
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
この銅像はたけ一丈六尺と申すことにて、台石は二間にけんに余り候はむ、兀如こつじょとして喬木きょうぼくこずえに立ちをり候。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)