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二三度
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にさんど
……
灰色で
毛の
禿げた
古鼠が、
八九疋の
小鼠をちよろ/\と
連れて
出て、
日比谷を
一散歩と
言つた
面で、
桶の
輪ぐらゐに、ぐるりと
一巡二三度して、すまして
又縁の
下へ
入つて
行く。
十度、これを
洗ひたるものは、
生れし
兒 清秀にして
貴し。
洗ふこと
二三度なるものは、
尋常中位の
人、まるきり
洗濯をしないのは、
昏愚、
穢濁にして、
然も
淫亂だ、と
教へたのである。
坊主も
二三度頷いた。で、
深く
其の
広い
額を
伏せた。