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乘物
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のりもの
掛乘物の上下には
朱の
爪折傘二本を
指掛簑箱一ツ虎皮の鞍覆たる引馬一疋
豹の皮の鞍覆たる馬一疋
黒天鵞絨に白く葵の紋を
それから
愛ちやんは、それをするには
何ういふ
風にしたら
可いだらうかと
工夫を
凝し
初めました、『それには
乘物へ
乘つて
行かなければならない』と
思つたものゝ
寄巳刻の太鼓を相待處へ
對の
先箱天鵞絨袋入の立傘等を持ち
緋網代の
乘物にて可睡齋城門へ
乘込來るゆゑ門番人下座を
觸出して天一坊は直樣敷臺より
乘物にて立出れば越前守は
徒跣にて
門際まで出て平伏す
駕籠脇少し戸を引ば天一坊は越前
居かと云に越前守ハツと御
請を