不届ふとゞき)” の例文
旧字:不屆
侍「おのれ下手したでに出れば附上つけあがり、ます/\つの罵詈暴行ばりぼうこう、武士たるものゝ面上めんじょうに痰を唾き付けるとは不届ふとゞきな奴、勘弁が出来なければうする」
こゝろならずもむことをませんので、けつして我意がいつのらせた不届ふとゞき次第しだいではありません。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
源「そうさ、喧嘩をした事が知れゝば、おれが兄上にそう云うと、兄上は屹度きっと不届ふとゞきな奴、相助をいとまにしてしまうと仰しゃってお暇に成るだろう」
其のおりは御用多端の事で、御用のを欠き、不取調べをいたし、左様な者を引いてまいり、上役人かみやくにんの迷惑に相成る事を仕出しでかし、御用の間を欠き、不届ふとゞきの至りと有って
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いろ/\理窟りくつをなが/\と二時ふたときばかりも言っていてそれから船頭に探させ、死骸を船にげてから不届ふとゞきな奴だといって船頭を斬ってお仕舞いなさい、それから帰りみち船宿ふなやどに寄って
われ不届ふとゞきものだ、手前の亭主はお構い者で、聞けば商人あきんどや豪家へ入り、強請ゆすりかたりをして衆人を苦しめると云う事はかねて聞いてったが、此の文治郎が本所にうち捨置すておく訳にはいかん
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)