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不向
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ふむき
ふりがな文庫
“
不向
(
ふむき
)” の例文
いわゆる洋服の普及を見てもわかるように、今まで町の人などの着ていたものは、一言でいうならば労働に
不向
(
ふむき
)
であったのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
最後に
来
(
きた
)
るお秀に関しては、ただ要領を一口でいう事ができた。お延から見ると、彼女はこの家の構造に最も
不向
(
ふむき
)
に育て上げられていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
我
(
わが
)
まま
勝手
(
かって
)
に
育
(
そだ
)
てられて
来
(
き
)
たおこのは、たとい
役者
(
やくしゃ
)
の
女房
(
にょうぼう
)
には
不向
(
ふむき
)
にしろ、
品
(
ひん
)
なら
縹緻
(
きりょう
)
なら、
人
(
ひと
)
には
引
(
ひ
)
けは
取
(
と
)
らないとの、
固
(
かた
)
い
己惚
(
うぬぼれ
)
があったのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
一体に伊井
蓉峰
(
ようぼう
)
の様に軽く動く人でモリエエルの様な大人物に扮するには
不向
(
ふむき
)
である、マドレエヌに扮したベルテセルニイ夫人、アルマンに扮したルコント夫人
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
しかし市の有志家が何名か打ち
揃
(
そろ
)
って上京した時に、有名な政治家のある
伯爵
(
はくしゃく
)
に会って、父の適不適を問い
訊
(
ただ
)
したら、その伯爵がどうも
不向
(
ふむき
)
だろうと答えたので
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
嘉納さんもあなたはあまり正直過ぎて困ると云ったくらいですから、あるいはもっと横着をきめていてもよかったのかも知れません。しかしどうあっても私には
不向
(
ふむき
)
な所だとしか思われませんでした。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ええ外へ出る事なんか訳はありません。
明日
(
あした
)
からでも出ろとおっしゃれば出ます。しかし嫁の方はそうちんころのように、何でも構わないから、ただ路に落ちてさえいれば拾って来るというような
遣口
(
やりくち
)
じゃ僕には
不向
(
ふむき
)
ですから」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“不”で始まる語句
不可
不思議
不憫
不図
不味
不審
不埒
不幸
不愍
不相変