上総戸かずさど)” の例文
一、杉の上等なるものは電信電話の柱として東京へ輸出し、そのほか多く上総戸かずさどと称する粗末なる雨戸となして東京へ出す事
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
と息をこらして中へ這入る様子を見て居りますると、ガラ/″\と上総戸かずさどを開けると、土間口へお瀧が出迎い
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そっいてくと、六軒目の長屋の前へ荷をおろして、がちりっと上総戸かずさどを明けて入るから、清次は心の内で、此奴こいつ此処こゝに住んでるのか、不思議な事もあるものだ
小舞こまいかきの竹は勝手を知っていますから、明店あきだな上総戸かずさどを明けて中へ這入はいり、こもき、睾丸火鉢きんたまひばちを入れ、坐蒲団ざぶとんを布きましたから、其の上に清次は胡座あぐらをかき。
漸々よう/\上総戸かずさどを明けて忍び足で中へ這入りまして、板の間から小兼は上りまして、手探りで探り寄ると、敷布団に手が障りましたから、ぴったり枕元へ坐りまして
此方こちらも取急ぎますから出てきました。親子は上総戸かずさどの所まで鹽原夫婦を見送り、雨戸をて、顔見合わせ、母親おふくろは眼病だと云ったのが眼をパッチリ明きまして悴に向い
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と云われ、清次は煙草盆を手にげ二階へ上るのを見て、ばゞあは土間へり、上総戸かずさどを明け。
いいながら、ダク/\血の流れる足を引摺ひきずって、上総戸かずさどのもとにいざり寄り
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
腕はえて居るし、刃物きれものは良し、又九郎横倒れにたおれるのを見てばゞあは逃出そうと上総戸かずさどへ手を掛けましたが、余り締りを厳重にして御座いまして、栓張しんばりを取って、掛金かけがねを外す間もございません
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
是れから馬を引いて小屋に繋ぎ、自分は台所口の上総戸かずさどを明けながら
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
とガラ/\/\と重たい上総戸かずさどを明ける。