三十分さんじつぷん)” の例文
さて銀側ぎんがは懷中くわいちう時計どけいは、散策さんさくさいはなさず、くだんおび卷着まきつけてあるのだから、とき自分じぶんにもあきらかであらう、さき郵便局いうびんきよくまへとほつたのが六時ろくじ三十分さんじつぷんで、かへみち通懸とほりかゝつたのが
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
の一つ二つ残れる広き所に散りぼひたる長椅子の上には、私より先にや三四人の人、白き団扇うちはを稀に動かしつつねむりを求めてあるを見受けさふらふ三十分さんじつぷんもその一人ひとりとなりてありさふらひけん。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
東京驛とうきやうえきいたのは、まだ三十分さんじつぷんばかり發車はつしやのあるころであつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)