一隻いつさう)” の例文
讀者どくしや諸君しよくん御記臆ごきおくだらう。弦月丸げんげつまるまさに子ープルスかう出發しゆつぱつせんとしたとき何故なにゆゑともなくふかわたくしまなことゞまつた一隻いつさうあやしふねを。
わたくし一心いつしん見詰みつめてあひだに、右舷うげん緑燈りよくとう左舷さげん紅燈こうとう甲板かんぱんより二十しやく以上いじやうたか前檣ぜんしやう閃々せん/\たる白色燈はくしよくとうかゝげたる一隻いつさうふねは、印度洋インドやう闇黒やみふてだん/″\と接近せつきんしてた。