“ろうせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
隴西58.8%
老成17.6%
狼星5.9%
牢霽5.9%
狼穽5.9%
老生5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
軽薄なる世人の常とて、当時隴西ろうせい(李陵の家は隴西の出である)の士大夫したいふら皆李家を出したことを恥としたと記されている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
深刻な苦労を経て来たその筋骨は、たとえば岩礁がんしょうえているまつか、風雪に痛めつけられて来た矮梅わいばいの如き感じで、強くはあるがもう人間の老成ろうせいていしていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一人の歩哨ほしょうが見るともなくこの爛々らんらんたる狼星ろうせいを見上げていると、突然、その星のすぐ下の所にすこぶる大きい赤黄色い星が現われた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
空気の乾いているせいか、ひどく星が美しい。黒々とした山影とすれすれに、夜ごと、狼星ろうせいが、青白い光芒こうぼうを斜めにいて輝いていた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
野口、北村、沼尻ノ三権少属ハ各家累ヲひっさゲテ後継トル。コノ日ヤ天気牢霽ろうせい朝暾ちょうとん菊章ノ伝符でんぷニ映ジ閃閃せんせんトシテ光アリ。服部、水谷、永井ノ三生、児精一郎ラ送ツテ千住駅ニ到ル。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私達の用いている言葉はわば狼穽ろうせいのようなものだ。それは獲物を取るには役立つけれども、私達自身に向っては妨げにこそなれ、役には立たない。あるいは拡大鏡のようなものだ。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
また此の、品川で、陣羽織菊綴きくとじで、風折烏帽子かざおりえぼしむらさき懸緒かけお張合はりあつた次第を聞いて、——例の天下の博士はかせめが、(遊ばされたり、老生ろうせいも一度の御扮装を拝見。)
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)