狼星ろうせい)” の例文
一人の歩哨ほしょうが見るともなくこの爛々らんらんたる狼星ろうせいを見上げていると、突然、その星のすぐ下の所にすこぶる大きい赤黄色い星が現われた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
空気の乾いているせいか、ひどく星が美しい。黒々とした山影とすれすれに、夜ごと、狼星ろうせいが、青白い光芒こうぼうを斜めにいて輝いていた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)