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みっかまえ
その
暗い
部屋の
片隅へ、
今しもおせんが、
辺に
気を
配りながら、
胸一
杯に
抱え
出したのは、つい
三日前の
夜、
由斎の
許から
駕籠に
乗せて
届けてよこした、八百
屋お七の
舞台姿をそのままの
「
駄目です。忍野半三郎君は
三日前に死んでいます。」
三日前の
夜の四つ
頃、
浜町からの
使いといって、十六七の
男の
子が、
駕籠に
乗った
女を
送って
来たその
晩以来、お
岸はおせんの
口から、
観音様への
願かけゆえ、
向う三十
日の
間何事があっても