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まをしこ
さて
我楽多文庫の名が
漸く
書生間に知れ
渡つて来たので、
四方から入会を
申込む、社運隆盛といふ
語を
石橋が
口癖のやうに言つて
喜んで
居たのは
此頃でした
已むを
得ず、一
時、
松林の
方に
退却したが、
如何も
掘りたくて
耐えられぬ。それで
余と
玄子とは
松林に
待ち、
望生一
人を
遣つて『いくらか
出すから、
掘らして
呉れ』と
申込ましたのである。
B あゝ、
女がだよ。
女が
結婚を
申込んだつて
何も
不思議な
事はあるまい。
B それで
其女はね。
或時或男に
結婚を
申込んだ。