“ひとまへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
人前66.7%
他人前33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空蝉うつせみなかすてヽおもへば黒染すみぞめそでいろかへるまでもなく、はなもなし紅葉もみぢもなし、たけにあまる黒髮くろかみきりはらへばとてれは菩提心ぼだいしん人前ひとまへづくりの後家ごけさまが處爲しよいぞかし
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貴君あなたわたしおもことがあるだらうとさつしてくださるからうれしいけれど、よもやわたしなにをおもふかれこそはおわかりにりますまい、かんがへたとて仕方しかたがないゆゑ人前ひとまへばかりの大陽氣おほようき
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
変なハズミから他人前ひとまへでは特に私はゼーロンを信じてゐるといふ風になつてしまつてゐるので、別段に憎い眼つきもしなかつたし、また蔭ではゼーロンよりも寧ろ私の方が臆病で
斯んな他人前ひとまへには顔も曝せぬ如きグロテスクな癖から救はれたい、嘆きがいつもあはれであり、笑ひがいつも幸ひであるともおもはぬのであるが……といふやうな心持は微かに持つてゐたから
天狗洞食客記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)