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ちゆうがくかう
間もなく
自分も
志村も
中學校に
入ることゝなり、
故郷の
村落を
離れて、
縣の
中央なる
某町に
寄留することゝなつた。
此某町から
我村落まで七
里、
若し
車道をゆけば十三
里の
大迂廻になるので
我々は
中學校の
寄宿舍から
村落に
歸る
時、
決して
車に
乘らず、
夏と
冬の
定期休業毎に
必ず
爾來數年、
志村は
故ありて
中學校を
退いて
村落に
歸り、
自分は
國を
去つて
東京に
遊學することゝなり、いつしか
二人の
間には
音信もなくなつて、
忽ち又四五年
經つてしまつた。