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ちうさん
晝三の太夫なんて贅は望まないが、せめて金猫銀猫とか、
櫓下へ行くでもとか——
爭ひ入り來る故實に松葉屋の
大黒柱金箱と
持はやされ
全盛双ぶ方なく時めきける
中早其年も暮て享保七年四月
中旬上方の客仲の町の
桐屋と云ふ茶屋より松葉屋へ
上りけるに三人連にて
歴々と見え
歌浦八重咲幾世とて何も
晝三の
名題遊女を
其間、
正午になつたので、
一先づ
座敷へ
引揚げ、
晝餐の
饗應を
受け、それから
又發掘に
掛つたが、
相變らず
破片が
出る
位。
漸くそれでも
鯨骨の
一片と、
石槌、
打石斧、
石皿の
破片など
掘出した。