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だいせき
座頭むくと
起直つて、
腹を
立て、
道端にあつて
往来の
障なりと、二三十
人ばかりにても
動かしがたき
大石の
角に
手をかけ、
曳やつといふて
引起し、
目より
高くさし
上げ、
谷底へ
投落す。
以前激流に
逆つて、
大石を
転ばして
人助けのためにしたと
言ふのも、
第一、かちわたりをすべき
川でないから
石があるのが、
然まで
諸人の
難儀とも
思はれぬ。
往来に
穴があるのとは
訳が
違ふ。