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じふでふ
夜はやゝ
更けた。はなれの
十疊の
奧座敷は、
圓山川の
洲の
一處を
借りたほど、
森閑ともの
寂しい。
唯見ると、
床の
間も
何にもない。
心持十疊ばかりもあらうと
思はれる
一室にぐるりと
輪になつて、
凡そ
二十人餘女が
居た。
私は
目まひがした
故か
一人も
顏は
見なかつた。
東京かね——
番町——
海水浴、
避暑にくる
人はありませんかな。……この
景氣だから、
今年は
勉強ぢやよ。
八疊に
十疊、
眞新しいので、
百五十圓の
所を
百に
勉強するですわい。