“さよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サヨ
語句割合
小夜72.4%
左様13.2%
佐用7.9%
佐夜3.9%
佐代1.3%
狭夜1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかもその際私の記憶へあざやかに生き返って来たものは、当時の私が妻の小夜さよを内心憎んでいたと云う、いまわしい事実でございます。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その時ア御馳走しますからね、左様さよなら何うもおそうそさまで、何うか旦那様へもよろしく、何うも御苦労さまで
するとひつじの頃(午後二時)である。さきの日、加古川の宿に残しておいた細作の一人が、まったく方角ちがいな美作みまさか佐用さよ方面からここへたどりついて来た。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
掛川かけがわと云えば佐夜さよ中山なかやまはと見廻せど僅かに九歳の冬此処ここを過ぎしなればあたりの景色さらに見覚えなく、島田藤枝ふじえだなど云う名のみ耳に残れるくらいなれば覚束おぼつかなし。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
妹娘の佐代さよは十六で、三十男の仲平がよめとしては若過ぎる。それに器量きりょうよしという評判の子で、若者どもの間では「岡の小町」と呼んでいるそうである。どうも仲平とは不吊合いなように思われる。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
源平盛衰記げんぺいせいすゐき文覚発心もんがくほつしんくだりに、「はやきたつて女と共にし居たり、狭夜さよやうやう更け行きて云云うんぬん」と、ちやんと書いてある事である。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)