佐用さよ)” の例文
元来彼は郷里の佐用さよでも“たか範家のりいえ”といわれる弓の上手であったが、射落したこの日の鷹は、敵味方をわきかえらせた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するとひつじの頃(午後二時)である。さきの日、加古川の宿に残しておいた細作の一人が、まったく方角ちがいな美作みまさか佐用さよ方面からここへたどりついて来た。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そのお吟どのに佐用さよの三日月村で会うた所、お前の話が出てな、びっくりしてござったわい」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐用さよの三日月へ着いたのは、もう山の瀬に陽もうすずき、何となく、秋の夕べの身に迫る頃だった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まもなく、東南は播磨灘はりまなだから水島灘のあおを遠くのぞみ、北は佐用さよ揖保いいぼの山波を仰いでいた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐用さよ上月こうづきの二城をおとし、附近の宇喜多勢力を一掃したのは、その月のうちだった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また西播磨にしはりまでは、佐用さよ城の福原、上月こうづき城の上月一族なども、別所長治とむすんで、毛利家への忠誠を尽すことと考えられますが……それらの大小城のうちに最も要地を占める姫路城は
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、発表になってみると、佐用さよしょうしょを賜う、とあるだけだった。
という山中鹿之介の飛札をたずさえた使いが、佐用さよの上月城から来た。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに、赤松一族の者で佐用さよノ三郎範家のりいえというのがあった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)