“こぶん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乾児45.9%
乾分39.4%
子分6.4%
乾兒2.8%
乾漢1.8%
児分1.8%
古文0.9%
小文0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大和民労会の五六十名、河井徳三郎や高橋金次郎の乾児こぶんなぞが血眼になったという面白い来歴があるが、古い話だからここには略する。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
不意にムックリと身を動かした乾分こぶんの多市が、親分の危急! と一心につかみ寄せた道中差どうちゅうざしとこの上から弥助を目がけてさっと突き出す。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子分こぶんの者が二人、物々しくも縄を打って引いて来たのは地獄極楽人形の小屋に居る美しい木戸番、あの両国中へ桃色の次高音アルトき散らしている、お倉だったのです。
聞いているのは岡引の松吉で、その綽名あだなを「丁寧松」といい、告げに来たのは松吉の乾兒こぶんの、捨三すてさぶという小男であった。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もとより田舎の事とて泥臭いのは勿論もちろんだが、に角常陸から下総しもうさ利根川とねがわを股に掛けての縄張りで、乾漢こぶんも掛価無しの千の数は揃うので有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
しかもこの時、あのモリアーティ教授は、彼を拾って、重要な児分こぶんにしたのだがね。
山城の賀茂は社家しゃけでいながら、賀茂村から比叡山の水呑みずのみに達する広大な領地をもって居り、一族の女たちは国学と古文こぶんに凝りかたまって、みな独身で終ってしまう。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
京都の真葛まくづはら西行庵に小文こぶんさんといふ風流人がゐる。セルロイド製のやうな、つるつるした頭をした男で、そしてまたセルロイド製のやうに年中から/\笑つて暮してゐる。