乾兒こぶん)” の例文
新字:乾児
隣りに自分より少し小柄の子供を二人連れ、時々話し合つてゐるのは、既に——上陸後三時間にして早くも乾兒こぶんを作つて了つたのだらうか?
聞いているのは岡引の松吉で、その綽名あだなを「丁寧松」といい、告げに来たのは松吉の乾兒こぶんの、捨三すてさぶという小男であった。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
猪之松親分の乾兒こぶんも居り、貴郎あなた様にはすぐに露見、捕らえられて嬲り殺し! ……ご発足など出来ますものか
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
岡引の松吉は三十五歳、働き盛りで男盛り、当時有名な腕っコキで、十人以上の乾兒こぶんもあったが、どうしたものか独身であった。そうして彼は変人でもあった。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
林蔵の乾兒こぶん藤作は、フラリと自分の賭場を出て、猪之松の賭場の方へ足を向けた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「百姓とは何だ、溝鼠。……杉さん、こいつらア猪之松の乾兒こぶんで……」
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「へい」と近寄って来た乾兒こぶんの一人へ、又大学は囁いた。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)