“きんぐさ”の漢字の書き方と例文
語句割合
金鎖100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ればさて美男子びなんしいろこそはくろみたれ眉目びもくやさしく口元くちもと柔和にゆうわとしやうや二十はたちいち繼々つぎ/\筒袖つゝそで着物ぎもの糸織いとおりぞろへにあらためておび金鎖きんぐさりきらびやかの姿なりさせてたし流行りうかう花形俳優はながたやくしやなんとしておよびもないこと大家たいけ若旦那わかだんなそれ至當したうやくなるべし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
顔をげると、肩から観世かんぜよりのように細い金鎖きんぐさりをけて、朱に黄をまじえた厚板の帯の間に時計を隠した女が、列のはずれに立って、中野君に挨拶あいさつしている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)