“かたびら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
帷子93.7%
帷衣1.6%
上布0.8%
0.8%
帷巾0.8%
維子0.8%
葛布0.8%
葛衣0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いずれも水色の揃いの帷子かたびらに、しん無しの大幅帯をしどけなく結び、小枕なしの大島田を、一筋の後れ毛もなく結い立てています。
茶屋知らず物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
峻厳しゅんげんな容態をくずさないが、晩飯の後など帷衣かたびら一重ひとえになって、宿直とのいの者たちの世間ばなしでも聞こうとする時は、自分もくつろぎたいし、人をも寛がせたいのであった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
召物めしものは白い上布かたびらであらいがすりがありました。
大塚楠緒子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
しからざれば一壺の酒一緡いちびんの青蚨をもって土産として、ある時は三条西家の青侍等の衣服にとてかたびら三を贈ったこともあった。
さらば最期とかねての用意、女肌には帷巾かたびらに、上は単衣ひとえ藍紺縞あいこんじまよ、当世とうせはやりの……
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女が麦藁帽むぎわらぼうをかぶって、黄麻こうまの大がすりの維子かたびらを着て、浅黄ちりめんの兵児帯へこおびをしめて、片腕ブラリとさせて俥夫しゃふの松さんに連れられて百々瀬へ行く姿を、あたしは町の角で
貯えて置いても入用がないから、その金で葛布かたびらを買って、すぐ都へいくなら、すこしはもうけがあるだろう。
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
寒い時にはかわごろもを一枚着、暑い時には葛衣かたびらを一枚着、そして、朝と晩には、粥をいっぱいずつ食べて、初めからすこしも物を無駄にはいたしませんが、それでも平生いつも困っております
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)