帷衣かたびら)” の例文
見れば、真っ青な顔をして、まるで経帷衣かたびらみたいなんです。起きあがって、わっしの傍の窓に腰をかけると、ものの十分ばかりそうして坐っていました。
峻厳しゅんげんな容態をくずさないが、晩飯の後など帷衣かたびら一重ひとえになって、宿直とのいの者たちの世間ばなしでも聞こうとする時は、自分もくつろぎたいし、人をも寛がせたいのであった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)