“かけはな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
隔絶26.7%
懸離26.7%
掛離20.0%
懸絶13.3%
懸隔6.7%
隔離6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新橋をつから汽車中言ひ暮して来たそれらの可愛いものからも、夫からも、彼女は隔絶かけはなれたところへ来た。
灯火 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
此事は、よしやかゝる望を抱いたことが将門にあつたとしても、謀反といふこととは余りに懸離かけはなれて居て、提燈ちやうちんと釣鐘、釣合が取れ無さ過ぎる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
後輩の自分が枯草色かれくさいろの半毛織の猟服りょうふく——そのころ銃猟じゅうりょうをしていたので——のポケットにかたからった二合瓶にごうびんを入れているのだけが、何だか野卑やひのようで一群に掛離かけはなれ過ぎて見えた。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
すべてが懸絶かけはなれていた。それにもかかわらず、岸本は巴里の下宿生活の記憶をここへ来て喚起よびおこそうとした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おれは、何処ぞ巴里パリから懸隔かけはなれた田舎に隠れて暮そう。世間はきにおれの姓名なまえすらも忘れるだろう。おれはすっかり別人になって、新たに百姓になりきって生活しよう。
ピストルの蠱惑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
暫らく立在たたずんでの談話はなしあわい隔離かけはなれているに四辺あたりが騒がしいのでその言事はく解らないが、なにしても昇は絶えず口角くちもとに微笑を含んで、折節に手真似をしながら何事をか喋々ちょうちょうと饒舌り立てていた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)