“えんよう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
燕洋25.0%
艶容25.0%
園養12.5%
婉容12.5%
灔耀12.5%
遠洋12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
漱石氏と前後して浅井黙語もくご、中村不折ふせつ、相島虚吼きょこう、森円月えんげつ、直木燕洋えんようその他の諸君が洋行して送ってくれる一枚の絵葉書をも、居士は深い興味の眼を以て眺め入るのであった。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
黒髪皎歯こうし清麗真珠の如く、艶容えんよう人魚の如き瑠璃子は、その聡明そうめいなる機智きちと、その奔放自由なる所作とを以て、彼女を見、彼女に近づくものを、果して何物に化せしめるであろうか。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
園養えんようのものには、白、桃色、また桃色に紫のしまのもあるが、野生のれは濃碧色のうへきしょくに限られて居る様だ。濃碧がうつろえば、菫色すみれいろになり、紫になる。千鳥草と云えば、直ぐチタの高原が眼に浮ぶ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
岩ぶすまという地衣こけいているばかり、この方面から常念を望むと、前の婉容えんようはなくなって、見上げるように急峻に尖っている。
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
尾上おのえに残る高嶺たかねの雪はわけてあざやかに、堆藍たいらん前にあり、凝黛ぎょうたい後にあり、打ちなびきたる尾花野菊女郎花おみなえしの間を行けば、石はようやく繁く松はいよいよ風情よく、灔耀えんようたる湖の影はたちまち目を迎えぬ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
日本海軍の起源きげんは、安政初年のころより長崎にて阿蘭人オランダじんつたうるところにして、伝習でんしゅうおよそ六七年、学生の伎倆ぎりょうほぼじゅくしたるにき、幕議ばくぎ遠洋えんようの渡航をこころみんとて軍艦ぐんかん咸臨丸かんりんまる艤装ぎそう