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うばひと
彼の先生の手から職業を
奪取つたのも、彼様いふ病気に成る程の
苦痛を
嘗めさせたのも、
畢竟斯の社会だ。
奪取られ彌々
難澁に
迫り又々大坂へ
立越しが
左右困窮に困窮を
重ね終に通仙は病死し跡には母と娘のみ
益々貧窮に迫りしが
當頃鯛屋大和と
云者狂歌に名高く
俳名を
殺害致して
金子百兩を
奪取り其後又慈恩寺村にて
博奕御座候節
鴻の
巣宿の鎌倉屋金兵衞と申す者を殺して金子五百兩を
奪ひ取り候を
妾しの
夫三五郎
能存じ
居候事故其
譯を
知たる我なれば
欺して殺さんとは
卑怯未練の仕方なり其儀ならば是より直に
公儀に訴へ穀屋平兵衞を殺して金子百兩を
奪取り
夫而已ならず
慈恩寺村にて鎌倉屋金兵衞をも
殺害して金を