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うばひとり
奪取江戸へ名乘出んとは思しが
師匠感應院の口より
泄んも計りがたければ師匠は我十三歳の時に
毒殺したり尚も
幼顏を
亡さん爲に九州へ下り熊本にて年月を經り大望を
右大膳儀先年
神奈川旅籠屋徳右衞門方に於て旅人を殺害し金子を
奪取其後天一坊に一
味致
謀計虚言を以て百姓町人を
欺き金銀を
掠取り衣食住に
侈奢身の程をも
辨へず
上を
奪取たれば江戸は
面倒なるべし
如ず此より上方に取て
返し中國より九州へ
渡んにはと
遂に四國に
立越しが伊豫國なる
藤が
原と云ふ山中に來り爰に
一個の
隱家を得て
赤川大膳と姓名を
變じ山賊を