大将たいしょう)” の例文
旧字:大將
日本にほんのむかしの武士ぶしで一ばんつよかったのは源氏げんじ武士ぶしでございます。その源氏げんじ先祖せんぞで、一ばんえらい大将たいしょうといえば八幡太郎はちまんたろうでございます。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そうして、そのさけみずには、ことごとくどくれておきました。大将たいしょうは、てきがきっとはららして、のどをかわかしてくるにちがいない。
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて思いついたことがあって、わたしはそれをまるいてネクタイにした。大将たいしょうがもっとわらった。カピがまたでんぐり返しを打った。
お山の大将たいしょうおれひとり——というかくで、中にまじっている徳川万千代とくがわまんちよは、みんなと一しょに、つなぎめた大鷲おおわしを取りまきながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ロボのつぎの位にいるブランカという白おおかみが大将たいしょうになって、五、六匹のおおかみが牛の群れへおそいかかってきました。
「ふん、大将たいしょう鈴蘭すずらんあつめるなんておかしいや。だれかに見つけられたらきっとわらわれるばかりだ。きつねが来るといいがなあ」
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ところが大将たいしょう大いにふくれていて一口も口を利かない、黙っている。まだ面白い話があるけれどもまあこれ位で切り上げてしまいましょう。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この話を天井てんじょうで聞いていた勘太郎かんたろうは「しめた」と思った。するとその時、大将たいしょうおにが鼻を天井に向けてもがもがさせながら
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ドノバンはいわゆるアマノジャクで、そのごうまんな米国ふうの気質きしつから、いつも富士男を圧迫あっぱくして自分が連盟の大将たいしょうになろうとするくせがある。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
東郷とうごう大将たいしょうの若い時の写真を見ると、実に立派でしかも明るく朗らかな表情をしたのがある。ジョン・バリモアーなどにもちょっと似ているのがある。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
敵一万の大将たいしょうち取ったとは、あっぱれな働きである。いそぎ軍奉行いくさぶぎょう太田飛騨守おおたひだのかみへ、このむねをとどけ出せ。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
そうして、いちばんつよい子が大将たいしょうになり、あとの十二人が兵隊へいたいになって、一れつにならびました。
子どものすきな神さま (新字新仮名) / 新美南吉(著)
日清日露の戦友がドンドン死んで行くのである。老少不定ろうしょうふじょうとはいうものの、がいして元帥げんすい大将たいしょう中将と古参順に訃音ふいんが来る。これは勢い仕方がない。お祖父さんもく認めている。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「どうしたい。お前の方の大将たいしょうは。」
兎と亀 (新字新仮名) / ロード・ダンセイニ(著)
そこでこの上はもう田村麻呂たむらまろをやるほかはないというので、いよいよ田村麻呂たむらまろ大将たいしょうにして、奥州おうしゅう出陣しゅつじんさせることになりました。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
大将たいしょうは、うなずかれて、このむすめ正直者しょうじきものらしいから、けっしてうそはいうまいとおもわれて、むすめゆびさしたみちいそいでゆかれました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき大将たいしょうはらをかかえて大笑おおわらいをした。そうしてカピはわたしのあほうにあきれ返って、四つ足ででんぐり返しを打った。
ばさばさのマントをあしと口との途方とほうもなくほそ大将たいしょうへやれって、こうってやりましたがね、はっは
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
向こうのおかに現われた敵軍の大勢! 丸二つ引きの旗をへんぽんとひるがえして落日を後ろにおか尖端とっぱな! ぬっくと立った馬上の大将たいしょうはこれ歴史で見た足利尊氏あしかがたかうじである。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
大将たいしょう兵太郎君へいたろうくんが、いいました。金助君は、浪花節語なにわぶしがたりがかぜをひいているような声で、遠くから敵をののしったり、あざわらったりするには、いちばんてきしているのです。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
土間を正面に見た旦那座だんなざに座っているのが鬼の大将たいしょうであろう。こしのまわりにけものの皮をいて大あぐらをかいている。口の両端りょうはしからあらわれているきばが炎にらされて金の牙のように光っている。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
蔚山城うるさんじょうのかこみのとけたのは、正月三日で、宇喜多秀家うきたひでいえ蜂須賀阿波守はちすかあわのかみ毛利輝元もうりてるもとなど十大将たいしょうが、背後はいごからみんの大軍を破った。このとき入城にゅうじょうしてきた毛利輝元は、重臣じゅうしん宍戸備前守ししどびぜんのかみにむかって
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
いくら寝坊ねぼうのおん大将たいしょうにせよ、それで眼がさめないはずはなく
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちで一ばん上のにいさんの義朝よしともは、頼朝よりとも義経よしつねのおとうさんにたる人で、なかなかつよ大将たいしょうでしたけれど、それよりももっとつよ
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
大将たいしょう、きれいなおんないてもらいたいとおもうんだが、すてきな、美人びじんいてくれないか。」と、菓子屋かしや番頭ばんとうがいいました。
生きている看板 (新字新仮名) / 小川未明(著)
イギリスの大将たいしょう軍服ぐんぷくをまねた金モールでへりをとった赤い上着を着、鳥の羽根はねでかざったかぶとをかぶったジョリクールがその背中せなかにいばって乗っていた。
そこの角から赤髪あかげ子供こどもがひとり、こっちをのぞいてわらっています。おい、大将たいしょう証書しょうしょはちゃんとしまったかい。筆記帳ひっきちょうには組と名前を楷書かいしょで書いてしまったの。
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
こちらの大将たいしょう兵太郎君へいたろうくんも、ついつりこまれてしっけいをしました。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
「おい大将たいしょう失礼しつれいだけれど、お先へごめんこうむりますぜ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると大将たいしょうの鬼がみんなを見回して
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
もりの中で大将たいしょうぶんのくまがへいこうして金太郎きんたろう家来けらいになったのをて、そのあとからうさぎだの、さるだの、鹿しかだのがぞろぞろついて
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
あるのこと、まさちゃんは、大将たいしょうとなって、近所きんじょちいさなヨシさんや、三郎さぶろうさんたちといっしょにはらっぱへじゅずだまりにゆきました。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
あけておいたもんですから、大将たいしょうさっそく親牛おやうしのところへ行って半分はんぶんばかりのんでしまいましてね……
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大将たいしょう兵太郎君へいたろうくんが、ききました。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
八幡太郎義家はちまんたろうよしいえから三だいめの源氏げんじ大将たいしょう六条判官為義ろくじょうほうがんためよしといいました。為義ためよしはたいそうな子福者こぶくしゃで、おとこ子供こどもだけでも十四五にんもありました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「おまえは、おれらないのか、今度こんど大戦争だいせんそうをして、ついにてきかした、大将たいしょうおれだ。」と、大将たいしょうはいわれました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おっかさん。それは大丈夫だいじょうぶですよ。それならぼくはもう大将たいしょうになったんですか」
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大将たいしょうがごうれいをかけました。
子どものすきな神さま (新字新仮名) / 新美南吉(著)
為朝ためともれいの二十八をつれて西にしもんまもっておりますと、そこへ清盛きよもり重盛しげもり大将たいしょうにして平家へいけ軍勢ぐんぜいがおしよせてました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そうして、こうくに大将たいしょう奇略きりゃくもちいたから戦争せんそうったというので、たいそうその大将たいしょう人々ひとびとにほめられました。
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
て。きつねぼく大将たいしょうだぞ」
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
おに大将たいしょう約束やくそくのとおり、おしろから、かくれみのに、かくれがさ、うちでのづちに如意宝珠にょいほうじゅ、そのほかさんごだの、たいまいだの、るりだの
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
今度こんどは、あちらから、しろ着物きものをきて、かみみだしたはだしのむすめがきました。大将たいしょうは、そのむすめめられました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おに大将たいしょうは、桃太郎ももたろう大力だいりきくびをしめられて、もうくるしくってたまりませんから、おおつぶのなみだをぼろぼろこぼしながら
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「おまえは、どの井戸いどや、酒倉さかぐらどくれたかっているにちがいない。それをおしえればよし、おしえないと承知しょうちをしないぞ。」と、大将たいしょうはいいました。
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
平家へいけ大将たいしょう清盛きよもりは、源氏げんじにかたきをられることをこわがって、義朝よしとも子供こどもつけしだいころそうとかかりました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ここにいるなかで、まさちゃんがいちばんおおきかったのです。そして、あとのものは、みんなまだ学校がっこうへいっていません。だから、まさちゃんは、大将たいしょうでした。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
てき大将たいしょう高丸たかまるはくやしがって、味方みかたをしかりつけては、どこまでもとどまろうとしましたけれど、一くずれかかったいきおいはどうしてもなおりません。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
大将たいしょうが、したのものにたのまれて、できないということは、いえませんでした。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
このきこりとせたのはじつは碓井貞光うすいのさだみつといって、その時分じぶん日本一にほんいちのえらい大将たいしょう名高なだか源頼光みなもとのらいこう家来けらいでした。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)