“甲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こう32.9%
かぶと21.2%
かん17.7%
よろい10.0%
かふ6.5%
よろひ2.2%
よろ1.7%
かう1.3%
ヨロヒ1.3%
こうら0.9%
きのえ0.9%
カン0.9%
それ0.4%
ひとり0.4%
おお0.4%
せ0.4%
たれ0.4%
キノエ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いくら考(かんが)えたってしかたがないことだ。俺(おれ)たちは働(はたら)くより途(みち)がないのだ。」と、乙(おつ)は甲(こう)を悟(さと)し、自分(じぶん)を勇気(ゆうき)づけるようにいいました。
一本の釣りざお (新字新仮名) / 小川未明(著)
同時に、周囲にいた黄信、史進、秦明らが、たちどころに、彼の上へおいかぶさり、そのよろいも甲(かぶと)も剥(は)いで、捕縛(ほばく)してしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでも、ひとしきり、かの女の涙まじりの甲(かん)だかい声やら、経盛以下の、小さい子どもらの泣き声が、もつれもつれに聞こえていた。
(翁と嫗とはうろうろして奥を窺ううちに、奥より蛇は髪をふり乱して走りいず。蟹は赤き甲(よろい)をつけ、かの長刀(なぎなた)を持ちて追い出ず。)
蟹満寺縁起 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
足袋(たび)も穿(は)かぬ足(あし)の甲(かふ)が鮫(さめ)の皮(かは)のやうにばり/\と皹(ひゞ)だらけに成(な)つて居(ゐ)る。彼(かれ)はまだ冷(さ)め切(き)らぬ茶釜(ちやがま)の湯(ゆ)を汲(く)んで頻(しき)りに飯(めし)を掻込(かつこ)んだ。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれ鉤(かぎ)を以ちて、その沈みし處を探りしかば、その衣の中なる甲(よろひ)に繋(か)かりて、かわらと鳴りき。かれ其所(そこ)に名づけて訶和羅の前といふなり。
恣(ほしいまま)に寒風が通り、湖水の光もそれを甲(よろ)う山嶽も、その山嶽の上に無限に畳まって見える山嶽の雪も、ついに僕をして大戦後に起った熱烈難渋な芸術には親(したし)ましめなかった。
リギ山上の一夜 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
途端(とたん)に又(また)指(ゆび)を立(た)てつゝ、足(あし)を一巾(ひとはゞ)、坊主(ばうず)が退(さが)つた。孰(いづれ)も首垂(うなだ)れた二人(ふたり)の中(なか)へ、草(くさ)に甲(かう)をつけて、あはれや、其(それ)でも媚(なまめ)かしい、優(やさ)しい腕(かひな)が仰向(あふむ)けに落(お)ちた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
あの方が壯盛(ワカザカ)りに、捧術(ホコユケ)を嗜(コノ)んで、今にも事あれかしと謂つた顏で、立派な甲(ヨロヒ)をつけて、のつし/\と長い物を杖(ツ)いて歩かれたお姿が、あれを見てゐて、ちらつくやうだなど
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
それへ、ほかほかと甲(こうら)を干した、木(こ)の葉に交って青銭の散った状(さま)して、大小の亀は十(と)ウ二十、磧(かわら)の石の数々居た。中には軽石のごときが交って。——
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
六微旨大論に天の氣は甲(きのえ)に始まり、地の氣は子(ね)に始まる、子甲相合するを、命(なづ)けて歳立(さいりふ)といふ、謹んで其の時を候すれば、氣與に期す可し、と説けるものや、甲子の歳は、初の氣
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
歌は進んで「泣いて別れうか、焦れてのきよか。」といふ甲(カン)のところへ来たので、白井は身体を前に首まで伸しかけた時
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
或時(あるとき)は土方(どかた)となり、或時(あるとき)は坑夫となって、甲(それ)から乙(それ)へと際限(はてし)もなく迷い歩く中(うち)に、二十年の月日は夢と過ぎた。彼の頭には白髪(しらが)が殖(ふ)えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
渓流(たにがわ)の音が遠く聞ゆるけれど、二人の耳には入らない。甲(ひとり)の心は書中(しょちゅう)に奪われ、乙(ひとり)は何事か深く思考(おもい)に沈んでいる。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そして両方とも幹は勇健で直立分枝し下の方は著しい亀甲状の厚い樹皮で甲(おお)うている。葉は針状常緑であるが、アカマツの方は柔かくクロマツの方は強い。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
かれその國より上り幸でます時に、龜の甲(せ)に乘りて、釣しつつ打ち羽振り來る人一、速吸(はやすひ)の門(と)二に遇ひき。
震災直後の東京ではライスカレー一皿で要求に応じた女が居たと甲(たれ)も乙(かれ)も云う。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作、杉山萠円(著)
退屈まぎれに、しきりに方角を日記でしらべ、やっと甲(キノエ)乙(キノト)丙(ひのえ)丁庚(かのえ)辛壬(みずのえ)癸を発見した。