“恣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほしいまま72.8%
ほしいまゝ11.4%
ほしいま5.7%
ほしい4.4%
ホシイママ1.9%
ほしひまゝ1.3%
0.6%
ほしいいまま0.6%
ほしひまま0.6%
ホシイママニ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
からだて頂をし、もって万一に報ずるを思わず、かえって胸臆きょうおくほしいままにし、ほしいままに威福をす。死すべきの罪、髪をきて数えがたし。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
枕元にひゞく上草履うはざうりの音もなく、自分は全く隔離されたる個人として外縁ヴエランダの上なる長椅子に身をよこたへ、ほしいまゝなる空想に耽けることが出来た。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
お島は長いあいだの経過を考えて、何の温かみも感ずることのできないほしいままな兄との接触に、失望したように言出した。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
けれどもその一重瞼の中に輝やく瞳子ひとみ漆黒しっこくであった。だから非常によく働らいた。或時は専横せんおうと云ってもいいくらいに表情をほしいままにした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
梁山泊ノ義士 宋江ソウコウ。 大名府ダイミョウフ、及ビ天下ノ人士ニ告グ 今ヤ、大宋国タイソウコクニアリテハカミ濫官ランカンクライニアリ シモ汚吏権オリケンホシイママニ、良民ヲシイタ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ウィリアムだいせい其人そのひと立法りつぱふ羅馬ローマ法皇はふわう御心みこゝろかなひ、たちまちにして首領しゆれう必要ひつえうありし英人えいじんしたがところとなり、ちかくは纂奪さんだつおよ征服せいふくほしひまゝにするにいたりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
……その時田沼は感激して、涙を流したということだ。……それだのに私のお父上が、この世を辞してからというものは、千たい沙汰の限りの態だ。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここおいて才子は才をせ、妄人もうじんもうほしいいままにして、空中に楼閣を築き、夢裏むりに悲喜をえがき、意設筆綴いせつひってつして、烏有うゆうの談をつくる。或はすこしくもとづくところあり、或は全くるところ無し。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ほしひままな朗らかさが、調子に溢れてゐた。伝統の鬱陶しさも、まだなかつた。実は、文学の一様式として認められ出した王朝末にすら、既に新味のない固定したものであつた。
宋朝ソウチョウ管領カンリョウ梁中書リョウチュウショ北京ホッケイニアリテ、民ヲ毒シ、ケンヲ用イマツリホシイママニシテ富財ヲワタクシスルコト多年。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)