トップ
>
黒装束
>
くろしょうぞく
ふりがな文庫
“
黒装束
(
くろしょうぞく
)” の例文
丈余
(
じょうよ
)
のさくらの枝から、
黒装束
(
くろしょうぞく
)
の
曲者
(
くせもの
)
がひとり、ヒラリととびおりると同時に、いきなり抜きうちに左近将監に切ってかかりました。
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
ハッと気がつくと、そのうす白いもやの中に、目ばかり光らした
黒装束
(
くろしょうぞく
)
の男が、もうろうと立ちはだかっているではありませんか。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
将軍家そぞろ歩きの折の休み茶屋である錦霜軒から、夜になると
黒装束
(
くろしょうぞく
)
の影が二つ、船見山の蔭から
吹上
(
ふきあげ
)
の方へ出かけてゆく。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丈
(
たけ
)
の高い
黒装束
(
くろしょうぞく
)
の影が一つ中庭の隅にあらわれる。
苔
(
こけ
)
寒き石壁の
中
(
うち
)
からスーと抜け出たように思われた。夜と霧との境に立って
朦朧
(
もうろう
)
とあたりを見廻す。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
芹沢らがいよいよ寝込んでしまったと見定めた時に、近藤勇だけは平服、土方と沖田と藤堂の三人は用意の
黒装束
(
くろしょうぞく
)
。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
黒頭巾
(
くろずきん
)
や
黒装束
(
くろしょうぞく
)
に隠れて人形を使っているのが傀儡子、使われているのが傀儡だとのみ思っているのです。しかし昔の傀儡子は、そんな狭いものではありません。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
振り仰いた万太郎は、
梨地
(
なしじ
)
の星をさえぎって屋根の峰に立った黒い男の影を、一目で日本左衛門の
黒装束
(
くろしょうぞく
)
と見てとりました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何等の障害物がなくてさえ落ちんとは保証が出来んのに、こんな
黒装束
(
くろしょうぞく
)
が、三個も前途を
遮
(
さえぎ
)
っては容易ならざる不都合だ。いよいよとなれば
自
(
みずか
)
ら運動を中止して垣根を下りるより仕方がない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
十余人が
躍
(
おど
)
り立って用意の
黒装束
(
くろしょうぞく
)
。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
黒装束
(
くろしょうぞく
)
は、手まねきするやいなや、岩つばめのようなはやさで、たちまち、そこからかけおりていってしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黒装束
(
くろしょうぞく
)
に全身をつつんでおりましたが、背丈や肩幅のまるで違っているばかりでなく、腰に横たえた大刀も身なりにふさわしく頑丈で、足どりも大股に来る様子。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忍剣はこおどりして見まわすと、そこに、思いがけない美少女が
笑
(
え
)
みをふくんで立っている。少女の足もとには、
謎
(
なぞ
)
のような
黒装束
(
くろしょうぞく
)
の
上下
(
うえした
)
がぬぎ捨てられてあった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さて、この夜中に、
黒装束
(
くろしょうぞく
)
で
横行
(
おうこう
)
するやからは、いずれ、
盗賊
(
とうぞく
)
のたぐいであったかもしれませぬ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、また一方の
黒装束
(
くろしょうぞく
)
。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
装
常用漢字
小6
部首:⾐
12画
束
常用漢字
小4
部首:⽊
7画
“黒”で始まる語句
黒
黒子
黒繻子
黒人
黒煙
黒白
黒雲
黒檀
黒髪
黒奴