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麻痺
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しび
ふりがな文庫
“
麻痺
(
しび
)” の例文
況
(
まし
)
て飛騨山中の冬の夜は、凍えるばかりに寒かった。霧に似たる
細雨
(
こさめ
)
は隙間もなく
瀟々
(
しとしと
)
と
降頻
(
ふりしき
)
って、濡れたる手足は
麻痺
(
しび
)
れるように感じた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「その悪漢めが俺に
毒
(
ポイズン
)
を飲ませたのだ! 人が
厭
(
いや
)
だと言うのに、無理に毒を飲ませてしまったのだ! あ、手が
麻痺
(
しび
)
れる」
葛根湯
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
しばらくすると、頭が
麻痺
(
しび
)
れ始めた。腰の骨が骨だけになって板の上に
載
(
の
)
せられているような気がした。足が重くなった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
信徒は恐怖に
麻痺
(
しび
)
れながら、尚遁がれようと
踠
(
もが
)
いたものの、それほんの一瞬で、見る見るうちにグッタリとなった。完全に
捕虜
(
とりこ
)
とされたのである。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
萎
(
な
)
え
麻痺
(
しび
)
れるようになった頭が、今にも恐ろしい断念をもって垂れそうになって来ることもある。
地は饒なり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
なんだかそこいらが湿っぽく
濡
(
ぬ
)
れている。からだのどこかが
麻痺
(
しび
)
れて知覚がない。白い、濃淡のない、おっぴろがった電燈の光が、眼の玉を内部へ押し込めるように強く目に映じた。
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
彼女は、
麻痺
(
しび
)
れた
両
(
ふた
)
つの腕を空へ伸ばした。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足が耐へられぬ程
麻痺
(
しび
)
れて来た。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
オンコッコは力をこめてジョン少年の胸の辺を
偃月刀
(
えんげつとう
)
で突き刺そうとした。とにわかに手が
麻痺
(
しび
)
れた。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
大勢の婦人たちが
麻痺
(
しび
)
れたような結果に陥っているのでして、むしろ憎むべきものはベナビデスその者であろうと私は考えております、過日も申し上げましたとおり
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
手を
毛布
(
けっと
)
のうちで、もじつかせても、心持肩を右から左へ
揺
(
ゆす
)
っても、頭を——頭は眼が
覚
(
さ
)
めるたびに必ず
麻痺
(
しび
)
れていた。あるいは麻痺れるので眼が覚めるのかも知れなかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし我々の
麻痺
(
しび
)
れきった頭で、そこまで納得がゆくのには、大分の間があった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
五分と
経
(
た
)
たないうちに、貧血の結果手が
麻痺
(
しび
)
れるので、持ち直して見たり、甲を
撫
(
な
)
でて見たりした。けれども頭は比較的疲れていなかったと見えて、書いてある事は
苦
(
く
)
もなく
会得
(
えとく
)
ができた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
麻痺
(
しび
)
れるわい、身も心も!」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「駄目だ! 手が
麻痺
(
しび
)
れてきた。早く
医者
(
ドクター
)
を呼んでくれ、医者を!」
葛根湯
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
手足が
漸次
(
だんだん
)
麻痺
(
しび
)
れて来る。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「手が
麻痺
(
しび
)
れると言ってるんです」
葛根湯
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
“麻痺”の解説
麻痺(まひ、痲痹とも)とは、一般的には、四肢などが完全に機能を喪失していることや、感覚が鈍って、もしくは完全に失われた状態を指す。比喩的に使われることも多く、「金銭感覚が麻痺する」「交通麻痺(=極度の交通渋滞や災害等により、道路機能が失われること)」などの用例がある。
(出典:Wikipedia)
麻
常用漢字
中学
部首:⿇
11画
痺
漢検1級
部首:⽧
13画
“麻痺”で始まる語句
麻痺薬
麻痺剤
麻痺状態
麻痺力
麻痺状
麻痺藥
麻痺症状
麻痺的症状