-
トップ
>
-
驛路
>
-
うまやぢ
山には
木樵唄、
水には
船唄、
驛路には
馬子の
唄、
渠等はこれを
以て
心を
慰め、
勞を
休め、
我が
身を
忘れて
屈託なく
其業に
服するので、
恰も
時計が
動く
毎にセコンドが
鳴るやうなものであらう。
懷に住馴し京都の我が家を立出て心細くも
東路へ志ざしてぞ下りけり元より
馴ぬ旅と云殊に男の懷ろに當歳の子を抱きての
驛路なれば其
辛さは云も更なり漸々にして大津の宿を
辿り
過打出の濱を