驚異きょうい)” の例文
君は何も知らないが、君の実在する世の中からその後二十年経つ間に、文明はあらゆる方面において驚異きょうい的な発展進歩をとげた。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けれどもそれはまったく、作者に未知みちえざる驚異きょういあたいする世界自身じしん発展はってんであって、けっして畸形きけいねあげられた煤色すすいろのユートピアではない。
しかし、ぼくはようやく、雲影うんえい模糊もことみえそめた島々のあおさを驚異きょうい憧憬どうけいの眼でみつめたまま、動く気もしなかったのです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
彼のこのにわか物識りは、養父たる大旦那を始め、店の者一統から町内の人たちにまで等しく驚異きょういの種であった。
老僧の落ちくぼんでいる眼は大きく驚異きょういにみはったまま劉備りゅうびおもてをじいと見すえたきり、ばたきもしなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まさに一つの驚異きょういであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そこに実に大きい疑問と驚異きょういとがあるわけであったが、敬二には何にも分っていない。いや敬二ばかりが分らないのではない。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おびえきっている梅雪の心は、ふたたびギョッとして立ちすくんだけれど、ふと驚異きょういのものを見なおすとともに、これこそ天来てんらいのすくいか、地獄じごくほとけかとこおどりした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うむ、それはその何だ、むにゃむにゃ。あああれか。あれが博士のひきいてきた驚異きょうい軍艦ホノルル号か。うむ、すばらしい。全く浮かべるくろがねの城塞じょうさいじゃ」
とにかくわれわれは、頭のなかを一度きれいに掃除しておいて、そのきれいな頭でもって、われわれの目のまえに次々にあらわれる大宇宙の驚異きょういをながめる必要がある。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ああ、金博士は、驚異きょういあたいする人物だ。一体あの人は、中国人かね、それとも日本人かね」
あの未曾有みぞう超々大戦果ちょうちょうだいせんかこそ、金博士が日本軍に対し、博士の発明になる驚異きょうい兵器を融通ゆうずうされたる結果であろうという巷間こうかんの評判ですが、どうですそれに違いないと一言いってください
「ほうほう」「驚異きょういだ」「テイクロトロンを早く見たいものだ」などの声あり。
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)