額田ぬかだ)” の例文
かれ高木の入日賣の御子、額田ぬかだ大中おほなか日子ひこの命、次に大山守おほやまもりの命、次に伊奢いざの眞若の命、次にいも大原の郎女いらつめ、次に高目たかもくの郎女五柱。
ほとんどが宗徒むねとの新田一族で——脇屋義助、義治よしはるをはじめ、堀口、綿打、里見、烏山、細屋、大井田、大島、籠守沢こもりざわ額田ぬかだ、世良田、羽川
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただし貧乏線を論ずるのちなみに額田ぬかだ博士の著書を批評した一節は、その後同博士の説明を聞くに及び、余にも誤解ありしを免れずと信ずるに至りしがゆえに
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
十月十二日の時雨しぐれふる朝に、わたしたちは目白の額田ぬかだ方を立退たちのいて、麻布宮村町へ引移ることになった。
十番雑記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
昔のえらい額田ぬかだなにがしと云う女のひとがうたった歌も出鱈目でたらめなのであろうか……。私はかいこのように熱心に糸を吐く。只、何のぎこうもなく、毎日毎日糸を吐く。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
席に落ちつきましたら、隣に石井柏亭はくてい氏、千ヶ崎悌六ちがさきていろく氏がいられるので、『冬柏とうはく』の歌会のあった頃を思出しました。前列から振返って目礼せられたのは額田ぬかだ医学博士御夫妻でした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
「たとえば、額田ぬかださまの御夫婦は仲のいいことで評判です」とゆきをは云った
(新字新仮名) / 山本周五郎(著)
大館おおだて義氏、堀口美濃守、江田、額田ぬかだ、烏山、羽川、里見、岩松、武田などの宗徒むねとの一族旗本からまた——在京の禁門軍、名和長年らの諸大名の兵力までをあわせ
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ここでの退がいは敵に気勢を揚げさせるばかり……。そちは馬をとばして、味方の陣頭にある江田行義、世良田せらた兵庫、篠塚伊賀、額田ぬかだ為綱、綿打わたうちノ入道らに、布令ふれまわれ」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのほか、新田ノ庄の郷々さとざとに散在していて、ここには居合さなかった大胡おおご額田ぬかだ、一ノ井、細谷、綿打、横瀬、堤などの一族へもこの場からすぐおなじ旨をおびた使いが立って行った。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)