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鞣皮
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なめしがわ
ふりがな文庫
“
鞣皮
(
なめしがわ
)” の例文
父はジャン・ジョセフという名で、
鞣皮
(
なめしがわ
)
をつくる仕事をしていたので、それだけに家も貧しく、みすぼらしい生活をしていたのでした。
ルイ・パストゥール
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
鞣皮
(
なめしがわ
)
も上等のものには臭気なし。されば物にして本来の臭気を脱せざるものは悉く未だ到らざるものとなして可なるが如し。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
足を切られれば切株(Stump)で歩むと言った人もある。いかなる苦痛にも忍耐して
鞣皮
(
なめしがわ
)
のごとく強靱に生きるのが生物の道ではあるまいか。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
リンツマンの檀那と云うのは
鞣皮
(
なめしがわ
)
製造所の会計主任で、毎週土曜日には職人にやる給料を持ってここを通るのである。
破落戸の昇天
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
インドの女詩人は順番がやっと来たので勇んで演壇に飛び上ってしゃべり出す弁士のように両眼を輝やかし
鞣皮
(
なめしがわ
)
細工のような形の
宜
(
よ
)
い首を前へつき出した。
ガルスワーシーの家
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
すると、ちょうど、その下の、スクラップブックにしては小さ過ぎる、黒
鞣皮
(
なめしがわ
)
の表紙の本に目がとまった。由紀子はふと好奇心に駆られてその表紙をはぐと
鼻に基く殺人
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
牛の
鞣皮
(
なめしがわ
)
みたいに茫漠として見当もつかないロシヤという国へ線路伝いに歩きかねない意気込をもっていた。
放浪の宿
(新字新仮名)
/
里村欣三
(著)
年とった農夫たちは、
鞣皮
(
なめしがわ
)
のような
痩
(
や
)
せた顔をして、ホームスパンの上衣とズボンを着て、青い靴下に、大きな靴をはき、仰山な
白鑞
(
しろめ
)
の締め金をつけていた。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
ちょうど戸口のところには、テーブルと同じように曲った
狗児
(
こいぬ
)
の足のような脚の、
倚
(
よ
)
り掛かりの高い、
鞣皮
(
なめしがわ
)
で張った
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
に、この家の主人が腰をかけている。
鐘塔の悪魔
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
彼の二三の普通の道具と、
鞣皮
(
なめしがわ
)
のさまざまの切屑とが、彼の足もとや
腰掛台
(
ベンチ
)
の上に散らばっていた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
其
(
その
)
私が、今、身も知らぬ異国の乙女と、同じ部屋に、同じ椅子に、それどころではありません、薄い
鞣皮
(
なめしがわ
)
一重を隔てて肌のぬくみを感じる程も、密接しているのでございます。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかも裾のマクレたのが
流行
(
はや
)
るので、いよいよ学生だか何だかわからなくなった。おまけに
鞄
(
かばん
)
まで
鞣皮
(
なめしがわ
)
製の素晴らしいのが出来て来たので、
最早
(
もはや
)
学生と見えるところは一ヶ所もない。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「此の好書家の書庫と称する
鞣皮
(
なめしがわ
)
の物置」などと憎まれ口をたたいている。
愛書癖
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
投網
(
とあみ
)
の
錘
(
おもり
)
をたたきつぶした鉛球を糸くずでたんねんに巻き固めたものを
心
(
しん
)
とし
鞣皮
(
なめしがわ
)
——それがなければネルやモンパ——のひょうたん形の片を二枚縫い合わせて手製のボールを造ることが流行した。
野球時代
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
呼び上げられて東の
詰
(
つめ
)
から、幔幕をかき上げて姿を現わした机竜之助は、
黒羽二重
(
くろはぶたえ
)
に
九曜
(
くよう
)
の定紋ついた小袖に、
鞣皮
(
なめしがわ
)
の襷、
仙台平
(
せんだいひら
)
の袴を
穿
(
は
)
いて、寸尺も文之丞と同じことなる木刀を携えて進み出る。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼の
鞣皮
(
なめしがわ
)
のズボンは折り目や
皺
(
しわ
)
だらけで、あきらかに
長靴
(
ちょうか
)
を支えているのに苦労しているようだ。そして、その長靴は、かつて頑丈だった彼の脚の両側に大ぐちをあけて
欠伸
(
あくび
)
しているのである。
ジョン・ブル
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
そうして足に鹿の
鞣皮
(
なめしがわ
)
の細い靴を
穿
(
は
)
いて、いよいよ支度が出来上りまして、これから食堂で皆とお別れの食事を喰べて、それからお伴の女中と一所に馬車に乗って、宮中に行くばかりとなりました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
鞣
漢検1級
部首:⾰
18画
皮
常用漢字
小3
部首:⽪
5画
“鞣皮”で始まる語句
鞣皮張