“なめしがわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鞣皮45.9%
鞣革40.5%
熟皮2.7%
皮革2.7%
2.7%
靱皮2.7%
2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鞣皮なめしがわも上等のものには臭気なし。されば物にして本来の臭気を脱せざるものは悉く未だ到らざるものとなして可なるが如し。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「心臓が鞣革なめしがわで出来ているんだね。しかし僕が幹事を勤めているからには、もう只じゃ義太夫も謡曲もうならせない」
冠婚葬祭博士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
これは純粋の雑戸ざっこで、熟皮なめしがわの技術に慣れた高麗こま人や、百済くだら人などがこれになったのもありましょうし、鎧作よろいつくり鞆張ともはり鞍作くらつくり等、その他一切の皮革を扱うもの、みなこれに属する訳です。
そういううちにマダムの背後うしろに隠れていた白い肉付きのいい右手が前に出て来た。その手には黒い、短い、皮革なめしがわむちがシナシナとしなっていた。
継子 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
黒漆のなめしがわの帯の背部の飾りを、石で造ったものをいうので、衣冠束帯の当時の朝服の帯であり、位階によりて定制があり、紀伊石帯、出雲石帯等があれば、石の形にもけたなのもあれば丸なのもある。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そこには、靱皮なめしがわの帯をしめて、わざと爪を長くしたパリサイの徒もいた事であろうし、髪に青い粉をつけて、ナルドの油の匂をさせた娼婦たちもいた事であろう。
さまよえる猶太人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
オロチョン人の手製に成った馴鹿トナカイなめしがわの鞄や、財布——それは太い色糸で不細工に稚拙に装飾してあった——白樺の皮鍋、アイヌの厚司あつし模様のついたすげの手提げ
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)