露子つゆこ)” の例文
そのとき、露子つゆこは、いうにいわれぬなつかしい、とおかんじがしまして、このいいおとのするオルガンはふねってきたのかとおもいました。
赤い船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三番目の娘は其名そのな露子つゆこと云う、三人の中でも一番美しく、日頃から極く温順な少女なので、此時も決して争う様な事はせず、黙って腕環を眺めて居る。
黄金の腕環:流星奇談 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
この火を見た時、余ははっと露子つゆこの事を思い出した。露子は余が未来の細君の名である。未来の細君とこの火とどんな関係があるかは心理学者の津田君にも説明は出来んかも知れぬ。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは義兄あにの陸軍中尉川村国彦かわむらくにひこだった。旗男の長姉ちょうしにあたる露子つゆことついでいるのだった。旗男は、東京の中学の二年生で、夏休を、この直江津なおえつの義兄の家でおくるためにきているのだった。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
で、露子つゆこは、そんなくにへいってみたいものだ。どんなにひらけているうつくしいくにであろうか。どんなにうつくしいひとのいるところであろうか。
赤い船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今度は三番目の娘露子つゆこの番である、露子とて年若き娘の身の、何んで夜の恐ろしさを感ぜずには居よう、けれど彼女はく正直な性質なので、一旦いったん父君に森林を探検して来ると約束した以上は
黄金の腕環:流星奇談 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
露子つゆこうちまずしかったものですから、いろいろ子細しさいあって、露子つゆこが十一のとき、むらて、東京とうきょうのあるうちへまいることになりました。
赤い船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
伯爵は三番目の娘の露子つゆこに向って
黄金の腕環:流星奇談 (新字新仮名) / 押川春浪(著)