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霜解
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しもど
ふりがな文庫
“
霜解
(
しもど
)” の例文
霜解
(
しもど
)
けの千束村の
畦
(
あぜ
)
を、梅の枝を持って通る人や、のろのろと歩む
空駕
(
からかご
)
の人影がいかにも春先の点景らしく、うららかに動いて見えます。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽根
(
はね
)
は、
車
(
くるま
)
の
上
(
うえ
)
からさびしい
霜枯
(
しもが
)
れの
野原
(
のはら
)
を
見
(
み
)
ました。
田圃
(
たんぼ
)
の
間
(
あいだ
)
を
通
(
とお
)
る
道
(
みち
)
は
霜解
(
しもど
)
けがして、ぬかるみになっていました。
東京の羽根
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
古風にやる家も、手軽でやらぬ家もあるが、要するに年々昔は遠くなって行く。名物は
秩父
(
ちちぶ
)
颪
(
おろし
)
の
乾風
(
からっかぜ
)
と
霜解
(
しもど
)
けだ。武蔵野は、雪は少ない。一尺の上も積るは
稀
(
まれ
)
で、五日と消えぬは珍らしい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
父親は今朝猫の額のような畠の
角
(
かど
)
で、
霜解
(
しもど
)
けの土をザクザク踏みながら、白い手を泥だらけにして、しきりに何かしていたが、やがてようやく芽を出し始めた
福寿草
(
ふくじゅそう
)
を鉢に植えて床の間に飾った。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
霜解
(
しもど
)
けのした
道
(
みち
)
は、ぬかるみのところもあるが、もう
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
乾
(
かわ
)
いて、
陽炎
(
かげろう
)
の
上
(
のぼ
)
っているところもありました。
村
(
むら
)
はずれに
土手
(
どて
)
があって、
大
(
おお
)
きな
木
(
き
)
が
立
(
た
)
っていました。
薬売りの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
連日の
好晴
(
こうせい
)
に、
霜解
(
しもど
)
けの
路
(
みち
)
もおおかた乾いて、街道にはところどころ白い
埃
(
ほこり
)
も見えた。
霞
(
かすみ
)
につつまれて、
頂
(
いただき
)
の雪がおぼろげに見える
両毛
(
りょうもう
)
の山々を後ろにして、二人は話しながらゆるやかに歩いた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
霜
常用漢字
中学
部首:⾬
17画
解
常用漢字
小5
部首:⾓
13画
“霜解”で始まる語句
霜解け