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雁来紅
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はげいとう
ふりがな文庫
“
雁来紅
(
はげいとう
)” の例文
旧字:
雁來紅
寛子も花が好きで、一寸した小銭が出来ると、花屋へ出掛けては半日も話しこんで、見事な
雁来紅
(
はげいとう
)
を何本もせしめて来ることがある。
泣虫小僧
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
はっきりとはわからないが、心をひそませてじっくりと記憶をたどると、
雁来紅
(
はげいとう
)
の家へ行く道筋が、おぼろげに心に浮んでくる。
キャラコさん:09 雁来紅の家
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
獅子頭などと言はれる、豪勢な花の形からさへ愛嬌をもらはないではいられなかつた。
雁来紅
(
はげいとう
)
だつてさうであつた。
雑草雑語
(新字旧仮名)
/
河井寛次郎
(著)
裏の百姓家も植木師をかねていたので、おばあさんの
小屋
(
こいえ
)
の台所の方も、
雁来紅
(
はげいとう
)
、
天竺葵
(
あおい
)
、
鳳仙花
(
ほうせんか
)
、
矢車草
(
やぐるまそう
)
などが低い垣根越しに見えて、鶏の高く
刻
(
とき
)
をつくるのがきこえた。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
狭い庭にはゆうべの雨のあとが乾かないで、白と薄むらさきと柿色とをまぜ
栽
(
う
)
えにした朝顔ふた鉢と、まだ葉の伸びない
雁来紅
(
はげいとう
)
の一と鉢とが、つい鼻さきに生き生きと美しく
湿
(
ぬ
)
れていた。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
床の間に、
雁来紅
(
はげいとう
)
を活けたのが、暗く見えて、掛軸に白の野菊……蝶が一羽。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おとといの
野分
(
のわき
)
のなごりか空は曇って居る。十本ばかり並んだ
雞頭
(
けいとう
)
は風の害を受けたけれど今は起き直って真赤な頭を揃えて居る。一本の
雁来紅
(
はげいとう
)
は美しき葉を出して白い干し衣に映って居る。
飯待つ間
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
血——と見えたのは、そこらにカッと陽を受けている
雁来紅
(
はげいとう
)
だった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
雁来紅
(
はげいとう
)
に
留
(
とま
)
れば
雁来紅
(
はげいとう
)
が
映
(
うつ
)
る。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
お静かでお
羨
(
うらや
)
ましいわ。……いつだって
雁来紅
(
はげいとう
)
は真っ紅だし、陽が照っているし、
日暦
(
カレンダー
)
は、いつも、九日の日曜日だし……。
キャラコさん:09 雁来紅の家
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
莞爾
(
にこり
)
とその時、女が笑った唇が、
縹色
(
はなだいろ
)
に真青に見えて、目の前へ——あの近頃の
友染向
(
ゆうぜんむき
)
にはありましょう、
雁来紅
(
はげいとう
)
を肩から染めた——釣り下げた
長襦袢
(
ながじゅばん
)
の、宙にふらふらとかかった、その真中へ
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
窓のそばに、燃えるような
雁来紅
(
はげいとう
)
があるので、秋の中ごろの午後の風景だということがわかる。
キャラコさん:09 雁来紅の家
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
雁
漢検準1級
部首:⾫
12画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
“雁”で始まる語句
雁
雁首
雁字
雁木
雁皮紙
雁皮
雁行
雁金
雁鍋
雁坂