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りよ
清淨な
水でも
好ければ、
不潔な
水でも
好い、
湯でも
茶でも
好いのである。
不潔な
水でなかつたのは、
閭がためには
勿怪の
幸であつた。
單純なレウマチス
性の
頭痛ではあつたが、
閭は
平生から
少し
神經質であつたので、
掛かり
附の
醫者の
藥を
飮んでもなか/\なほらない。
「ふん、
坊主か」と
云つて
閭は
暫く
考へたが、「
兎に
角逢つて
見るから、こゝへ
通せ」と
言ひ
附けた。そして
女房を
奧へ
引つ
込ませた。