あはひ)” の例文
あはひへだてゝ、一の火輪ひのわかの點のまはりをめぐり、その早きこと、いと速に世界を卷く運行にさへまさると思はるゝ程なりき 二五—二七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それも花繁くあはひ遠からではをかしからじ。李花遠きに宜しく更に繁きに宜しと楊萬里の云ひたるは、よく云ひ得たりといふべし。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
もとよりあはひ幾許いくばくも有らざるに、急所の血をいだせる女の足取、引捉ひつとらふるに何程の事有らんと、あなどりしに相違して、彼は始の如く走るに引易ひきかへ、此方こなたは漸く息疲いきつかるるに及べども
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
水色に冴えた秋の朝空にあはひ隔てゝ二つ列むだ雄阿寒をあかん雌阿寒めあかんの秀色を眺める。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
帯のあはひ巾着きんちやくの紐をぶら下げて帰つて来た
都会と田園 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
夾竹桃と饒舌おしやべりな白蓮のあはひをすべりゆく
わが目はかれらの姿にともなひ、あはひの大いなるによりさらに先を見るをえざるにいたりてやみぬ 七三—七五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
葉と葉のあはひから
都会と田園 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)