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閑日月
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かんじつげつ
ふりがな文庫
“
閑日月
(
かんじつげつ
)” の例文
九月のよく晴れた日の夕方、植木の世話も一段落で、
錢形平次
(
ぜにがたへいじ
)
は
暫
(
しば
)
らくの
閑日月
(
かんじつげつ
)
を、粉煙草をせゝりながら、
享樂
(
きやうらく
)
して居る時でした。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこのグランド・ホテルではマタ・アリの隣室に、英国の若い帰休士官が英雄
閑日月
(
かんじつげつ
)
を気取っている。名をスタンレイ・ランドルフ。砲兵大尉。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
二十年余りの
閑日月
(
かんじつげつ
)
は、少将を愛すべき老人にしていた。殊に今夜は和服のせいか、
禿
(
は
)
げ
上
(
あが
)
った額のあたりや、肉のたるんだ口のまわりには、一層好人物じみた
気色
(
けしき
)
があった。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
父は
閑日月
(
かんじつげつ
)
の
詮議
(
せんぎ
)
よりもむしろその方をよろこんでいたのだろう。そこに父の平生抑えていて
弛
(
ゆる
)
めぬ
克己心
(
こっきしん
)
の発露がある。こうして父は苦行の道を
択
(
えら
)
んで一生を過したといって好い。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
大政所の葬儀に列し、京大坂で茶の湯をたのしみ、暫しは戦地を忘れて
閑日月
(
かんじつげつ
)
。
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
あらゆる学問のうちで、文学者が一番
呑気
(
のんき
)
な
閑日月
(
かんじつげつ
)
がなくてはならんように思われていた。おかしいのは当人自身までがその気でいた。しかしそれは間違です。文学は人生そのものである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これを文庫と書斎と客間とに
充
(
あ
)
てて、
万足
(
よろづた
)
らざる無き
閑日月
(
かんじつげつ
)
をば、書に
耽
(
ふけ
)
り、画に
楽
(
たのし
)
み、彫刻を愛し、音楽に
嘯
(
うそぶ
)
き、近き頃よりは
専
(
もつぱ
)
ら写真に遊びて、
齢
(
よはひ
)
三十四に
迨
(
およ
)
べども
頑
(
がん
)
として
未
(
いま
)
だ
娶
(
めと
)
らず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
大軍が
悠々
(
ゆうゆう
)
と
閑日月
(
かんじつげつ
)
を送る地は
豊臣
(
とよとみ
)
氏の恩沢を慕うところの大坂である。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
悠々たる
閑日月
(
かんじつげつ
)
を楽しんでいたが、連歌の会などで、大勢寄り集まって談笑するに、他の人々の声は次の間までも聞えて来るのに、武蔵の声だけは、ほとんど聞こえることがなかったそうである。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、
閑日月
(
かんじつげつ
)
に富んだ今さえ、こう溌剌としているようじゃ、
康有為
(
こうゆうい
)
氏を中心とした、芝居のような
戊戌
(
ぼじゅつ
)
の変に、花々しい役割を演じた頃には、どの位才気煥発だったか、想像する事も難くはない。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“閑日月”の意味
《名詞》
閑日月(かんじつげつ)
暇で時間にゆとりのある歳月。
気持ちにゆったりとした余裕があること。
(出典:Wiktionary)
閑
常用漢字
中学
部首:⾨
12画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
月
常用漢字
小1
部首:⽉
4画
“閑日”で始まる語句
閑日