なんが)” の例文
ガラッ八はなんがあごをブルンとでるのでした。神田から日本橋へかけて、この顔を知らないものは江戸っ子のもぐりみたいなものです。
十手と捕縄と、啖呵たんかと、なんがい顔と、あらゆる攻め道具を試みましたが、婆アは、遠藤左馬太に買収されたとは言ってくれません。
息せき切って駆けつけたガラッ八の八五郎、上がりかまちに両手を突いて、「物申し上ぐる型」になんがい顔を振り仰ぐのでした。
擬物結城まがいゆうきの狭い単衣ひとえなんがい顔を引締めて、思い込んだ様子が、日頃が日頃だけに、一脈の物の哀れを感じさせるのでした。
ガラッ八はなんがい顔を一倍長くして見せました。少し仕方噺になりますが、本人の真剣さは疑うべくもありません。
お島は飛付いて金次郎の口でもふさぎたい様子でした。すぐ眼の前になんがあごを撫でて、怖い小父さんが居るのです。
八五郎のガラッ八が、なんがあごでながら入って来たのは、正月の十二日。屠蘇とそ機嫌からめて、商人も御用聞も、仕事に対する熱心を取り戻した頃でした。
八五郎のガラッ八が、なんがい顔を糸瓜棚へちまだなの下から覗かせたとき、銭形の平次は縁側の柱にもたれて、粉煙草をせせりながら、赤蜻蛉あかとんぼ行方ゆくえを眺めておりました。
なんがい顔と、抜群のノッポと、出来の悪い神田っ子と、日当りのよくない深川っ子と、江戸の人間にもこんなのがあると思うだけでも、ひどく頼もしくなります。
毛虫眉をひそめて、大きい口をきっと結ぶと、不思議なことに、なんがい顔も、少しばかり寸が詰ります。
ガラッ八は横からなんがい顔を出しました。昨日も一度逢ってるんで、これはいくらか心易立てです。
ガラッ八の八五郎は、昼寝起きらしいなんがい顔をでて、それでも世間並のことを言うのです。
「何だ、馬鹿馬鹿しい。そんななんがつらの偽物なんか出来合にあるものか、ハッハッハッ」
さすがになんがい顔もあまり通用せず、それに、持って生れた間延びのした造作が役に立って、近頃開いた祈祷所の者などは、滅多なことでこれを岡っ引と見破るはずもありません。
ガラッ八は首を引っ込めて、不平らしくなんがい顎をブルンとで廻します。
ガラッ八の八五郎は、いきなり銭形平次の前に、なんがあごを漂わせます。
笹野新三郎の声に応じて、敷居の外からヌッとなんがい顔を出しました。
ガラッ八はなんがあごでながら、臆面おくめんもなくこんな事を言うのです。
ガラッ八の八五郎は、木戸を開けて、なんがい顔をバアと出しました。
八五郎はなんがあごを襟に埋めました。まさに図星といった恰好かっこうです。
八五郎はなんがいあごをなでまわして、髷節まげぶしでのの字を書くのです。
お染を送って来たガラッ八のなんがい顔が、そこにあったのです。
ガラツ八の八五郎は、庭口からヌツとなんがあごを出しました。
ガラッ八の八五郎は、庭口からヌッとなんがあごを出しました。
ガラッ八は平手でなんがい顔をブルブルンとで廻すのです。
八五郎は一向罪を作りそうもない、なんがあごでました。
ガラッ八は古風な洒落しゃれを言って、なんがあごを撫でました。
持前のなんがい顔を一倍長くして見とれておりました。
八五郎は照臭そうに、なんがい顔を撫で廻しました。
八五郎はなんがあごでたりするのでした。
ヌッとなんがい顔を出すのです。