金色夜叉こんじきやしや)” の例文
そしてそこの場面をかの『金色夜叉こんじきやしや』に書き入れたので、今では評判になつて、多くの人々がきそつてそこへ行くが、そしてその場所では一等の家に廣がつたが
塩原日記 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
わたしはその都度つど、「先生せんせい威徳ゐとく廣大くわうだい先生せんせい威徳ゐとく廣大くわうだい。」ととなへて、金色夜叉こんじきやしや愛讀者あいどくしや感銘かんめいした。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それから又二十三日の記に、「此(八)の八を草して黎明れいめいに至る。つひに脱稿せず。たうときものは寒夜かんやの炭。」とあり。なんとなく嬉しきくだりなり。(八)は金色夜叉こんじきやしやの(八)。(八月二十一日)
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
金色夜叉こんじきやしや中編ちうへんのおみやは、この姿すがたで、雪見燈籠ゆきみどうろう小楯こだてに、かんざきつゝじのしげみにすそかくしてつのだから——にはに、築山つきやまがかりの景色けしきはあるが、燈籠とうろうがないからと、ことさらにゑさせて
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今朝けさ梅林ばいりん金色夜叉こんじきやしやうめる、富山唯繼とやまたゞつぐ一輩いつぱい人物じんぶつあるのみ。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)