郎党ろうとう)” の例文
彼が蛇を恐れる如く、彼が郎党ろうとうの犬のデカも獰猛どうもうな武者振をしながら頗る蛇を恐れる。蛇を見ると無闇むやみえるが、中々傍へは寄らぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ところが、それからだんだん国元の様子が父に不利になって来て、近頃ちかごろではまるっきり音沙汰おとさたもありません。うわさには一族郎党ろうとう、ほとんど全滅ぜんめつだとの事です。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「何よりですよ。一つ季節の好い時に一ぞく郎党ろうとうを呼び集めて、大々的にお祝いを致しましょう」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
が、なにもうしましてもおんな細腕ほそうでちからたのむ一ぞく郎党ろうとうかずもよくよくのこすくなになってしまったのをましては、再挙さいきょ計劃けいかく到底とうてい無益むやくであることが次第次第しだいしだいわかってまいりました。
それは母里もり太兵衛と、栗山くりやま善助とよぶ、若い郎党ろうとうだった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)