“ろうとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
郎党45.5%
籠罩18.2%
隴頭18.2%
莨菪9.1%
郎等9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、それからだんだん国元の様子が父に不利になって来て、近頃ちかごろではまるっきり音沙汰おとさたもありません。うわさには一族郎党ろうとう、ほとんど全滅ぜんめつだとの事です。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
妙椿の指金さしがねで里見に縁談を申し込むようになっては愚慢の大将であるが、里見を初め附近の城主を籠罩ろうとうして城主の位置を承認せしめたは尋常草賊の智恵ではない。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
尽日じんじつ、春をたずねて春を見ず、芒鞋ぼうあい踏みあまねし隴頭ろうとうの雲、帰り来たりて笑って梅花をひねりてかげば、春は枝頭しとうにありてすでに十分)
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
タルジュ事件というのは、妻君が莨菪ろうとうの煎汁を飲ませて夫を殺したつい最近の事件であった。病中の躁暴そうぼう状態が異様だったことを女中が近所にいいふらしたので発覚した。
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
中務大輔なかつかさたいふ家久公とて、何れも文武の名将なり、其の外、家の子郎等ろうとうに至るまで、皆忠勤を励ませば、古今稀なる御果報、近国他国の者までも、羨まざらんはなかりけり……
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)