道理わけ)” の例文
「お前は嬰児ねんねえだからわかるまいね、知らない道理わけだから言って聞かせよう、あのね、若お師匠様にね、御亭主だんなさまが出来たの。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの若奥さんもお前を信用しているような口吻くちぶりだった。わしは何うだろうかと思ったが、二人ともナカ/\道理わけの分った人で、持ち出しえがあった。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
お前さんのような道理わけの分らない人間は猫や犬を見たようなものだ。何だ教育があるの何のといって、人の娘を玩弄おもちゃにしておいて教育が聴いてあきれらあ。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
あいちやんはなになんだか薩張さつぱり道理わけわからず、『長靴ながぐつにもなれは半靴はんぐつにもなる!』と不審いぶかしげな調子てうし繰返くりかへしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
扨もあぶなし道理わけのわからぬやつめ、親がなしとても其身は誰れから貰ひしぞ、さる無造作に粗末にして濟むべきや、汝ごとき不了簡ものゝ有ればこそ、世上の親に物おもひは絶えざるなれと
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「へーえッ! あの婆さんが、そう言った。譃だ! 年寄に其様なことが、一々分る道理わけが無いもの。」
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「皆左向けばかりするものですから、いつかジョンソン博士がチャペルでひやかしましたよ。『みんなさんの首、少し左へ曲る癖出来ました。その道理わけ、何でありますか?』って」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「あなたのように道理わけの分った人に聴いて戴けば、私の念が幾分届くというものです」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
今日は煙突に火薬をめて破裂はれつさせた。その為めに座敷の道具が大分壊れた。お父さんもお母さんも乃公を叱るけれど、実際乃公が悪いか如何どうか、少し道理わけの分る人に判断をして貰いたい。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「癖になります。橋本さんの奥さんにも道理わけを伺って見ましょう」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「然う度々首になるからには、何か道理わけがある筈だよ」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「いや、ナカ/\の努力家ですが、道理わけがあるんです」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「それじゃ何故でしょう? 僕には道理わけが分りません」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「お隣りの奥さんは矢っ張り道理わけの分った人ですよ」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「二人で時々散歩に出る道理わけが分ったよ」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)